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ペディアさんへのラブレター或いはロックマンゼロのイカレポンチ具合について

当ブログとは比較にならないほどのオーソリティーであり、当ブログと比べても負けず劣らずの主観たっぷりレビューを掲載してやまない我らがwikipedia。集合知の現実に絶望したり記事の中立性を問うて編集合戦したりするよりも、wikipedia中の「客観」を標榜する人格をペディアさんとでも命名して(cf.新明解国語辞典の明解さん)萌えるのが人類の叡智だと思いますが、そんなペディアさんのブログであるところのwikipediaで、「ロックマンゼロ」に関してこんな記述があります。

その反面、システムは荒削りな部分も目立ち、多くの不満点が指摘されている。(ミッション毎の採点基準が厳しい、サイバーエルフの使用がミッションの減点対象となる、一部の武器が使い物にならない、残機システムが理不尽、など。)これらの反省点は後の作品に生かされる事となった。

ロックマンゼロ(2007年4月24日版)より

不満にも色々なパターンがあります。ことロックマンゼロ(以下ゼロ1)におけるペディアさんのそれは、開発者と彼女の間の解釈の齟齬から生じたのだと思います。
筆者若かりし頃、テレビで深夜にハイドロスフィアという映画が流されたことがありました。時代設定は退廃的な近未来。大企業に依頼されて謎の荷物を船で運ぶことになるわけですが、実は荷物の正体は危険ゴミ。まともに処理のしようがないので大企業は事故に見せかけて船を沈めることによって、ゴミをうやむやのうちに投棄させようと企んでいたのだ!船の積荷の中には「事故」を起こすためのアンドロイドが忍ばせてあって、そいつが船員を次々に惨殺していく!というお話。船の制御装置が胎児を改造したようなグロテスクなナリだったり、近未来なのに船が大量の奴隷に漕がせる人力駆動だったり、巨大船という密室状況で殺戮アンドロイドが暴れまわったりと、退廃趣味のSFだと思って見てたわけなんですが、最後の最後で筆者のけぞりました。ヒロインが魔法でアンドロイドぶち壊しちゃうんですよ。えんえんSFで引っ張ってラスト5分で魔法!アンドロイド以外もいろいろぶち壊しです。そもそもそうでなくてもテーマが二転三転していたお行儀の悪い作品でしたが、もはやそんなのはどうでもよく、筆者はオチのみをもってハイドロスフィアを駄作と断じる所存です。こんなネタバレだってお構いなしです。
以上えんえん長話で例を挙げてきましたが(もっといい例があるだろうに)、こういうのを筆者用語で「公理の転覆」と呼んでいます。こういう感じの作品なのかな?と少しずつピントを合わせていったものが突然理解を上回った展開を見せる時、人は笑うか怒るかしかできません。

ペディアさんに戻ります。ロックマンはゼロ1の時点で15周年。既にたくさんの関連作が出ていました。彼女の心の中に「ロックマンはこういうものだ」という経験的公理もできあがっていたのでしょう。彼女が不満として指摘している部分を見れば、公理がなんなのか分かりますね。そしてゼロ1の開発者が狙っていたものというのも差分として想像できます。

・ミッション毎の採点基準が厳しい
ロックマンで、ボス戦で自殺して体勢を整えていたプレイヤーは多いはず。なにしろ残機は減るものの、ライフ全快でボス直前からリスタートできるわけですからね。特殊武器エネルギーが貴重であればなおさらです。15年のうちに、ロックマンは死によるライフ回復を計算に入れた陣取りパワーゲームである、という公理を彼女が見出していてもおかしくはありません。
ところがゼロ1は違った。死ぬとひどい言われようになりがちです。裏を返すと、死ななければAくらいは取れるようにできています。100点満点中、ミッション達成で20点(大概のミッションはクリアすればもらえる!)、死なないことで15点、被弾しなければ15点、エルフ未使用で15点がもらえるわけですから、それだけで65点もらえちゃいます。敵撃破数だって不殺プレイでもしない限りそこそこ15点に近い点が取れるはず。その腕前でクリアすれば所要時間評価だって10点以上はもらえるでしょう。ほら90点。
少々の被弾減点があっても所要時間が短ければフォロー可能。ほら90点。ね、簡単でしょ?(誤解を招く語尾)
「死ななければ」というのがポイントです。ゼロシリーズのミッション評価は、死なないことを前提に採点基準が組まれています。死ぬことによるデメリットはリトライ回数による直接的な減点だけではありません。何しろ死んでしまったトライに使った時間も所要時間に加算されるし、敵撃破数基準は基準数にトライ回数を乗じてるぽいし(つまり1度死ぬと、そのミッション中では倍の敵を撃破しないと満点がもらえない)と、間接的に他の採点要素に影響を及ぼしますから。
この採点基準、各項目が独立してないので破綻していますが、それゆえにプレイヤーの腕が上がると途端に点が上昇する=ミッション評価がよくなる、という側面があります。そこからSクリアまでは簡単です。実はプレイヤーの上達(~Aくらいまで?)に関してはベタベタに甘く接してくれるんですよこの作品。
ロックマン2のエアーマンをノーダメージで倒せるのはTool Assisted Speedrunの中だけですが、ゼロ1は全編ノーダメージクリアが可能(なはず)です。被ダメージによる減点を受けない範囲でのダメージを許容してもアベレージ100は可能(なはず)です。「なはず」と歯切れが悪いのは筆者がSクリアが限界だからです。とはいえ、筆者でもSクリアくらいはできるんですよ?

・サイバーエルフの使用がミッションの減点対象となる
ロックマンやロックマンXには各種補助アイテムがありました。エネルギー缶なんてのは最たるものですね。7以降は武器を強化したり補助アイテムを買えたりしたものです。稼ぎで下駄履いてクリアすることが認められていたわけです。プレイヤーの意志で難度を下げることに対して製作者は何も言いませんでした。
それがゼロ1で一変したのですね。しかし電子妖精の命を踏み台にしてクリアするようなヒーローにどんな賛辞を尽くせばいいのですか?カッコイイですかそれ?ヒーローのかっこよさは己のプレイにかかっているのです。誘惑に負けずに自力だけでシエル達を救うゼロは、同時にサイバーエルフの命も守ってるって寸法よ。
サイバーエルフはいけしゃあしゃあとさも当たり前なシステム顔してゼロ1に居座っているのですが、「エルフ使用を推奨するような難易度なのに俺は使わずにクリアしたー!」てのは達成感になりませんかね?なりませんか。

・一部の武器が使い物にならない
どれだろう?セイバーはゼロにかかせない高威力近接無双だし、バスターは牽制に欠かせないし、ロッドは工場で電磁トラップ破壊するのに便利だし、シールドは敵弾消せるしブーメランが結構威力あるし。まぁ一部の武器が使い物にならなくたっていいじゃないですか。ロックマンの楽しさはキワモノな武器を工夫して生かすってところにあると思いますよ。特殊武器がみんなメタルブレードみたいな便利ものばかりじゃつまらないです。

・残機システムが理不尽
ロックマンは伝統的にペナルティなしの無限コンティニュー可能なシステムでしたが、ゼロ1は昔の他のアクションゲームのそれ。実は残機じゃないんですあれ。クレジットなんです。その証拠に、死ぬたびにGAMEOVERって表示されるでしょ?残機が尽きたらセーブした地点からやり直し、ではなく、1度死んだらゲームオーバー、コンティニューは3回まで、という位置づけなんです。
そもそもカッコイイヒーローは死んじゃダメでしょう。あんなに派手に爆発しといてなんで平然とまた戦ってるのか変だと思ったことはないのですか?理不尽ではありません。解釈可能です。開発者は、ゼロを殺しながらクリアしてほしくないのですよ。「ほんとはクレジットもなしにしたかった。ゼロの命はひとつしかない」と筆者の捏造した仮想ゼロ1開発者も言っています。

まとめ。ロックマンシリーズは、高難度ながらも、無限コンティニューやエネルギー缶など、ゲーム的に親切なシステムを多く持っていて、それをユーザは疑うことなく甘受していました。矛盾よりもユーザビリティが優先されていたわけです。そしてゼロ1は野心的に暗黙のルールを変えた。理由は一点。ゼロに無様な戦いをさせるのは許さない!ゼロは赤くてとんがってて超強いんだい!なんておとなげない。
筆者のようなマゾヒストは公理の転覆を笑いました。一方ペディアさんはマゾヒストではないので公理の転覆を怒りました。そんなペディアさんに上記のような再解釈をちょっと読んでもらいたい。正しい主観が存在しないのと同様に、誤った主観というのもないはずです。

追記:ウィキさんでもペディアさんでもwikipediaを表現するには不適切そうな名前の切り取り方ですがウィキペディアさんだと長すぎるなあ。集合知様にいちゃもんつけるのならウィキさんって呼んだ方がもしかしてマシ?ウィキペドさん?

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